人間の食事中、愛犬の可愛い瞳に見つめられると、つい一口あげてしまう…という方は多いのではないでしょうか。
しかし、人間の食べ物は、実は犬にとって毒になるものも多いのをご存知でしょうか。
この記事では、犬が食べてはいけない食べ物とその理由についてお話します。
家族の一員だからこそ、愛犬が食べても良いもの、いけないものをしっかりと理解して、食事の時間を楽しいものにしましょう。
飼い主は大丈夫でも愛犬にとって危険な食べものは多い!?
犬にあげてはいけない食べ物と言われると、チョコレートやネギをイメージされる方が多いと思います。
しかし、その他の食べ物は意外と知られておらず、「美味しいから愛犬にも少しだけ…」と善意であげてしまっている方をSNS上でも多くみます。
また、犬にあげていい食べ物であっても、部位や調理方法によっては、注意が必要な食べ物もあります。
愛犬に人間の食べ物をあげる場合は、一度調べてからあげるのが良いでしょう。
愛犬に食べさせてはいけない食べ物一覧
この記事では、愛犬にあげてはいけない食べ物とその理由についてまとめました。
今回は、果物・野菜・肉・魚介・豆類・乳製品・お菓子・飲み物・その他と大きく9種類に分類分けをしてお話します。
果物
まずは、犬が食べてはいけない果物についてご紹介します。
また、健康上被害のない果物であっても、糖度が高いものが多いため、沢山食べすぎると肥満の原因となるでしょう。なるべく細かく刻み、少量だけ与えるようにして下さい。
ぶどう・レーズン
犬がぶどうやレーズンを食べると、腎機能障害を発症するリスクがあります。
腎機能障害は最悪の場合死に至るケースもある、恐ろしい症状です。
ぶどう中毒はぶどうを食べてすぐ発症するケースもあれば、発症しないケースもあり、原因や量については現在も明確にされていません。
そのため、誤ってぶどうを食べてしまった場合、愛犬に症状が現れていない場合であっても、一度動物病院に相談することをオススメします。
さくらんぼ
犬にとって、さくらんぼの実は下痢を引き起こす可能性があるため、与えない方が良いでしょう。
また、さくらんぼの種は実の部分よりも更に危険です。
さくらんぼの種にはアミグダリンという成分が含まれており、消化器内で青酸カリと同様の成分に変換されます。
さくらんぼの種を食べたことが原因で呼吸困難や虚脱などの中毒症状がみられる場合もあるため、誤ってさくらんぼの種を食べてしまった場合は、すぐに動物病院へ相談しましょう。
いちじく
いちじくに含まれるソラレンやフィシンといった成分は、犬にとって中毒症状を起こす成分となるため、犬にあげてはいけない食べ物とされています。
しかし、犬がいちじくをどのくらいの量食べると中毒症状を起こすのかはいまだ解明されていません。
また、すぐに症状が出る子もいれば、数日後に症状が出る子もいるため、いちじくを食べてしまった場合は少量であってもすぐに動物病院へ相談した方が良いでしょう。
りんご(種、芯、茎、葉)
りんごの実は気軽に手に入り、好物としている犬も多いため、愛犬にりんごを与えたことがあるという方は多いでしょう。
りんごの実はあげても良い食べ物とされていますが、実以外の部分(種、芯、茎、葉など)は青酸を含む天然の有害物質が含まれているため、あげてはいけない食べ物とされています。
また、りんごの皮に関しては有害物質を含んではいませんが、農薬が付いている可能性があるため、与える際はよく洗うなど注意してあげて下さいね。
野菜
次に、犬にあげてはいけない野菜についてお話します。
犬は本来肉食メインの雑食動物のため、野菜を消化することはあまり得意ではありません。
あげても良い野菜とされる野菜の場合も、細かく刻み少量だけ与えるようにしましょう。
玉ねぎ
人間にとって、血液をサラサラにすると言われる成分である有機チオ硫酸化合物ですが、犬には消化できない成分とされています。
そのため、犬に玉ねぎをあげると、貧血や下痢、嘔吐、呼吸困難など様々な症状を起こす可能性があるため注意が必要です。
酷い場合は、意識をなくす子もいるので誤って玉ねぎを食べてしまった場合は、口の中や周りをよく洗いましょう。
また、まだ飲み込んでおらず口の中にある状態の場合は、すぐに取り除いてあげて下さい。
ネギ
玉ねぎと同じ、ネギ科であるネギも犬にあげてはいけない食べ物です。
ネギ科の植物を犬が食べると、最悪の場合命を落とす危険性もあります。
犬が生のネギをバリバリとかじることはあまりないとされています。
しかし、チャーハンやスープなどネギが入っている加熱料理の場合、ネギの臭いが分かりづらく、食べてしまう可能性があるため注意が必要です。
アボガド
アボカドに含まれる殺菌作用のある成分であるペルシンは、犬にとって下痢や嘔吐などを引き起こす可能性があります。
また、アボカドは森のバターと呼ばれるほど、カロリーの高い食べ物です。
肥満や糖尿病の原因にもなるため、犬には与えない方が良いでしょう。
ニンニク
ニンニクも玉ねぎやネギなどのネギ類と同様に有機チオ硫酸化合物が含まれているため、犬にあげてはいけない食べ物とされています。
犬がにんにくを食べると溶血性貧血をおこし、下痢や嘔吐、血尿などの症状が現れます。
また、すりおろしニンニクなどが入っているスープに関しても、ネギ中毒を起こす可能性があるため、気をつけましょう。
トマト(へた、茎、葉、花、未熟な実)
トマトの未熟な実や、へた、茎、葉、花などには、トマチンと呼ばれる成分が多量に含まれています。
多量にトマチンを含んでいる箇所を犬が食べてしまった場合、下痢や嘔吐などの中毒症状が起こり最悪の場合命を落とす危険性もあるため注意が必要です。
また、完熟したトマトの実の場合、少量であれば犬に与えても問題ありません。
しかし、ミニトマトの場合は丸のみしてしまうと食道につまる可能性もあるため、必ず細かくしてから与えましょう。
肉
犬といえば肉というイメージがありますが、料理方法や部位によって食べてはいけないものがあるのをご存知でしょうか。
3つ目は犬が食べてはいけない肉をご紹介します。
生肉
スーパーやお肉屋さんで売られている人間の生肉は、加熱調理をして食べることが前提なものばかりです。
その肉を犬に生のまま与えると、菌や寄生虫によるリスクが高いため、生肉は犬にあげてはいけない食べ物とされています。
犬に生肉を与える場合は、人間が生で食べても大丈夫なくらいの品質のものを与えましょう。
また、骨付き肉や味付き肉、油の多い肉に関しては、生はもちろん加熱調理したものであっても与えない方が良いとされています。
鳥の骨
加熱した鳥の骨はもろく、縦に裂けやすいため、食道や腸、胃など内臓を傷つける可能性があります。
内臓を傷つけた場合、軽度であれば嘔吐や下痢などの症状が出ます。
また、重度の場合だと腸閉塞や腹膜炎が発症し、命を落とす危険性もあるため注意が必要です。
生の鳥の骨の場合は、縦に裂ける危険性は少なくなりますが、カンピロバクターなどの菌により食中毒をおこす可能性があるので、犬にはあげない方が良いでしょう。
魚介
魚は猫というイメージが強いですが、実は魚介が好きな犬も多くいます。
また、魚は肉と同様、たんぱく源として、体にも良い食べ物とされています。
しかし、その中でも犬にあげてはいけない食べ物があります。
4つ目は犬が食べてはいけない魚介についてお話します。
生のイカ
生のイカには犬にあげてはいけないポイントが3つあります。
まず1つ目は、生のイカには、ビタミンB1を破壊するチアミナーゼという成分が含まれています。
ビタミンB1が不足した犬は、ふらつきが見られる、痙攣など行動障害がみられます。
2つ目は生のイカだけでなく加熱されたイカにもいえることですが、イカは消化し辛い食べ物のため、消化不良により下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
最後に、生のイカにはアニサキスという寄生虫がいる場合があります。犬の体内にアニサキスが入ると激しい腹痛などの症状がみられます。
生の海老
生のエビも、生のイカと同様にチナミアーゼという成分が含まれています。
犬が生のエビを食べるとビタミンB1欠乏症になり、行動障害がみられるでしょう。
また、エビアレルギーの人が多いように、犬にとってもエビはアレルギー症状が出やすい食べ物とされています。
加熱したエビであっても出来れば避けた方が良いでしょう。
生の蟹
生の蟹も生のエビやイカと同じく、チナミアーゼが含まれており、ビタミンB1欠乏症になる可能性があるため、犬にあげてはいけない食べ物とされています。
また、加熱をしている場合は、蟹の身の部分であれば与えても問題ありません。
しかし、カニ味噌は加熱している場合であっても、腎障害を与える可能性があるため、与えない方が良いでしょう。
豆類
豆腐や納豆など豆類を好む犬は多くいます。
しかし全ての豆類を犬にあげても良いわけではありません。
5つ目は犬が食べてはいけない豆類についてお話します。
ナッツ類
まだ研究段階ではありますが、ナッツ類は犬に与えない方が良い食べ物とされています。
特に、マカダミアナッツでは中毒例も報告されています。
中毒症状の他にも、ナッツ類の硬くコロコロとした形状は、消化にも良くないため、そのまま飲み込むと、腸閉塞や窒息の可能性もあります。
さらに、カロリーも非常に高く、肥満の原因にもなるため、与えない方が良いでしょう。
乳製品
犬用のチーズやミルクなど乳製品を好む犬は多いです。
しかし、人間用のチーズや牛乳は与えてはいけないことをご存知でしょうか。
6つ目は、犬が食べてはいけない乳製品についてご紹介します。
牛乳
多くの犬は、牛乳の糖質である乳糖をうまく消化できません。
そのため、人間の牛乳を飲むと下痢をしてしまう犬が多く、人間の牛乳は犬にあげない方が良いとされています。
余談ですが、人間でも牛乳を飲むとお腹を下してしまう方は、乳糖を上手に消化出来ていない可能性があります。
チーズ
ペットショップなどで犬用チーズをよく見かけます。
美味しそうに食べる愛犬を見るとつい人間用のチーズも与えたくなりますが、人間用チーズは犬には与えない方が良い食べ物とされています。
人間用のチーズは犬用のチーズに比べると、カロリーや塩分が高く、肥満や糖尿病の原因となるでしょう。
また、牛乳と同じく乳糖が含まれているため、下痢を起こす可能性もあります。
お菓子
味覚の中で甘味を好む傾向にある犬にとって、お菓子はとても魅力的な食べ物です。
しかし、糖分や脂質の高く、中毒物質を含むものもあるため、犬にお菓子は禁物です。
7つ目は、お菓子の中でも食べると危険とされているお菓子をご紹介します。
チョコレート
犬にあげてはいけない食べ物と言えば、チョコレートをイメージする方も多いのではないでしょうか。
チョコレートの原材料であるカカオには犬が中毒症状起こす、カフェインやテオブロミンなどの成分が含まれています。
犬がチョコレートを食べると、テオブロミンを体の外に出そうとして下痢や嘔吐を繰り返します。
重症の場合は、震えや不整脈、痙攣などの症状が現れ最悪の場合は命を落とす危険性のある食べ物とされているため充分に注意が必要です。
チョコレートの中でも、特にカカオの含有量が多いチョコレートは中毒症状が強く出る可能性が高いです。
さらに、チョコレートの他にもカカオを含む食べ物はチョコレートと同じ症状が現れる可能性があるので、原材料をしっかりと確認しましょう。
飲み物
前述までは、犬にあげてはいけない食べ物についてご紹介しましたが、飲み物の中にもあげてはいけないものが存在します。
8つ目は、犬にあげてはいけない飲み物についてご紹介します。
アルコール
犬はほんの少量のアルコールであっても、アルコール中毒を起こす可能性があります。
お酒はもちろんアルコールを使用したお菓子や傷んだリンゴなどでも、アルコール中毒を起こしたという事例もありますので注意が必要です。
犬がアルコールを摂取すると、肝臓や腎臓、心臓など全ての内臓に悪影響です。
重症化すると命を落とす可能性もあるため、誤って舐めてしまった場合はすぐに動物病院へ相談しましょう。
コーヒー
犬にとって、コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経を刺激し、めまいや興奮、震え、嘔吐などさまざまな健康被害を与えます。
最悪の場合、命を落とす可能性もあるため、犬が誤ってコーヒーを舐めてしまった場合は症状が出ていなくても動物病院へ受診することをオススメします。
また、人間の場合も過剰摂取すると健康に悪影響を与えますので、コーヒーの飲みすぎには注意しましょう。
お茶(カフェイン)
コーヒーほど多くはありませんが、お茶にもカフェインが含まれています。
犬にとってカフェインは中毒症状を引き起こす成分となるため、犬にはお茶を与えない方が良いでしょう。
また、カフェインレスのお茶であっても、微量のカフェインを含んでいる場合がほとんどのため、犬にはあげないようにして下さいね。
その他
最後に上記に分類されなかった、食べてはいけないものについてご紹介します。
もしかすると知らずに与えていた方も多いのではないでしょうか。
梅干し
梅干しは多量に塩分が含まれているため、犬は梅干しを食べると食塩中毒を起こす可能性高いです。
食塩中毒をおこした場合、下痢や嘔吐、ふらつきなどが見られ、重症の場合は命を落とす危険もあります。
また、梅干しの種は消化し辛く、丸のみすると喉や腸でつまる可能性もあるため、犬にあげてはいけない食べ物とされています
パン
人間からすると無味に感じるパンも、多くの食塩が使用されています。
また、菓子パンが多くの糖分、調理パンは多くの油脂分も多く含んでおり、肥満の原因となるため犬には与えない方が良い食べ物とされています。
プレーンのパンであれば食べてすぐに中毒症状が出るような成分は含まれていません。
そのため、誤って少量のパンを食べてしまった場合は、様子見でも良いかもしれません。
しかし、大量に食べてしまった場合は、症状に表れていなくても動物病院を受診してくださいね。
キシリトール
キシリトールは、犬が食べると重い中毒症状を引き起こすことのある危険な食べ物です。
中毒症状を起こす明確な量に関しては、解明されていませんが犬の体重1kgあたり0.1g程度で症状が現れるとされています。
軽症の場合は、嘔吐や下痢、脱力感などの症状がみられ、重症になると急性肝不全を引き起こし、命を落とす可能性もあります。
キシリトールというと、ガムや歯磨き粉などのデンタル商品に含まれているイメージがありますが、人間用のヨーグルトなどにも含まれていることもあるため注意が必要です。
万が一口にしてしまった場合は?
今回、ご紹介させて頂いた食べ物を愛犬が、万が一口にしてしまった場合、食べた物や量によって対処方法が異なります。
例えば、少量で中毒を起こすキシリトールや骨が内臓に刺さってしまう鳥の骨などを食べてしまった場合は、症状がなくてもすぐにかかりつけの動物病院へ相談した方が良いでしょう。
また、お腹を下してしまう牛乳やカロリーが高いパンなどを食べてしまった場合は、次回はないように充分に気をつけ、様子を見ても良いかもしれません。
しかし、どの食べ物であっても大量に口にしてしまった場合はかかりつけの動物病院へ相談することをオススメします。
愛犬の命を守るのも飼い主の責務です
犬は美味しそうな食べ物があるとなんでも口にしてしまう生き物です。
飼い主様が食べても良い食べ物、ダメな食べ物をしっかりと理解することが大切です。
そうすることで、愛犬が1日でも健康で長生きできるようにサポートすることが出来るでしょう。
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