胴長短足が愛らしくダックスフンドは日本では人気の高い犬種です。気品がありながら甘えん坊な性格のダックスフンドを一度は飼ってみたいという方も多いのではないでしょうか。
本記事では「ダックスフンドを飼いたいけれど、どんな犬種か分からない」という方や「ダックスフンドを飼い始めてもっとダックスフンドの事を知りたくなった」という方のためにダックスフンドの歴史や性格、なりやすい病気などが一目でわかるようにまとめました。この記事がダックスフンドの事を詳しく知りたい方や犬種選びに迷っている方の参考になれば幸いです。
ダックスフンドはどんな歴史をもつ犬?
ダックスフンドの歴史は古く、古代エジプトの壁画にもダックスフンドと酷似する犬種が描かれています。
現代のダックスフンドはスイスが原産国の「ジュラ・ハウンド」にドイツやオーストラリアが原産国の「ピンシェル」をかけ合わせて基礎が作られたと伝えられています。
ダックスフンドの基礎犬は10kg~20kgと中型犬程度のサイズがありましたが、シュナウザー系やテリア系、スパニエル系の犬種を交雑されて今の小型化されたダックスフンドが作られたと言われていますが、詳しいことはハッキリと解明されていません。
ドイツではダックスフンドの胴長短足を活かし、小さな穴に入りアナグマやネズミ、アナウサギなどを狩る狩猟犬の目的で飼育されていました。
ダックスフンドを飼う時の準備と心構え
小さな穴に入りアナグマやネズミなどの動物を狩猟していた歴史を持つダックスフンドは現在もアクティブで穴掘りを得意とする子が多いです。庭に家庭菜園や花壇がある家の場合、愛犬が花壇に穴を掘り花はボロボロで犬は泥だらけ…という状況になる可能性があるため注意が必要です。
ダックスフンドを迎え入れる際は庭を荒らされても良い心構えかダックスフンドが花壇へ入れないように準備をしておくことが大切です。
また、胴長短足が特徴のダックスフンドは地面からの距離が近いため、散歩中の拾い食いに悩まされている飼い主も多いです。拾い食いをしないトレーニングをするか、どうしても拾い食いをしてしまう場合口輪を装着するなど対策をする必要があります。
胴長短足の犬種は椎間板ヘルニアにもなりやすいため、ダックスフンドを迎え入れる際は階段前にゲートをつけるベッドやソファーをロータイプのものへ変更するなどなるべくジャンプをしないで腰に負担をかけないお部屋作りも大切です。
ダックスフンドのサイズ
ダックスフンドと聞くとミニチュアダックスフンドをイメージする方が多いです。実はダックスフンドには3種類のサイズがあります。ここではそれぞれの大きさの違いをご紹介します。
・スタンダードダックスフンド
体重:9~12kg
胸囲:35cm以上
・ミニチュアダックスフンド
体重:3.5~5kg
胸囲:30~35cm
・カニンヘンダックスフンド
体重;3.2kg~3.5kg
胸囲:30cm以下
中には血統書はミニチュアダックスフンドだけど3kg程度の子や血統書はカニンヘンダックスフンドだけど6kg以上という子も存在します。この数字はあくまで目安程度に考えましょう。
毛の長さや色のバリエーション
ダックスフンドは体のサイズだけでなく毛の長さや色のバリエーションが豊富なのも魅力の一つです。
ダックスフンドの毛の種類は3種類あり、長い毛が特徴のロングヘアード、短い毛が特徴のスムースヘアード、太く長い毛と短い毛が入り混じっているのが特徴のワイヤーヘアードとなっています。
また、色のバリエーションに関してはブラックタンやレッド、クリームなどがポピュラーです。ポピュラーなカラーの他にもダップルやソルト&ペッパー、シェーデッドなど個性的なカラーが多いのもダックスフンドが人気の理由の一つといえるでしょう。
ダックスフンドの性格
狩猟犬として改良されたダックスフンドは好奇心が旺盛で穴掘りやボール遊び、ニオイ取りが好きな遊び好きな子が多い犬種です。また、賢く友好的な性格のため初心者の方でもしつけのしやすい犬種とされています。
そんなダックスフンドですが、毛質によっても性格が異なると言われています。ここでは各毛質の性格についてもご紹介します。
まず日本での飼育頭数が最も多いロングヘアードのダックスフンドはスパニエル系の血が入っているため、落ち着きがあり友好的で温厚な性格の子が多いです。
次にスムースヘアードのダックスフンドはアクティブで最もダックスフンドらしい性格とされています。自己主張強く頑固で警戒心が強い傾向にあるため、根気よくしつけをする必要があります。
最後にワイヤーヘアードのダックスフンドはテリア系の血が入っているため、いたずら好きで気が強い性格の子が多いです。ダックスフンドの中では一番しつけが難しい毛質といわれており、飼い主がリーダーシップをとりながらしっかりとしつけを行うことが大切です。
ダックスフンドで注意が必要な病気や疾病
胴長短足のダックスフンドが一番気をつけたい病気は椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアとは背骨同士を繋ぐ役割をしている椎間板が何らかの原因で変性することで、背骨の中にある脊髄を圧迫し痛みや麻痺が生じる病気です。
椎間板ヘルニアは軽度の場合、激痛が発生し投薬と絶対安静の治療がメインとなります。
しかし、重度の椎間板ヘルニアになると手術が必要になり、手術でも改善が難しい場合は下半身に麻痺が残る可能性があります。下半身に麻痺が残ると生涯トイレの介助が必要となるケースや歩行困難になるケースがあるため、椎間板ヘルニアにさせないように気をつけましょう。
ダックスフンドは軟骨異栄養性犬種と呼ばれ、遺伝的にも椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種とされているため特に注意が必要です。
椎間板ヘルニアの予防方法としては、階段の上り下りをさせない、ソファーやベッドにはスロープを作る、フローリングにカーペットを敷くなど腰に負担をかけない生活環境を用意してあげることが大切です。
他にもダックスフンドはワクチンアレルギーを発症しやすい犬種とされています。ワクチンを接種する際はかかりつけの動物病院としっかりと話し合いワクチン接種を行いましょう。
ダックスフンドは怪我をしやすい?
ダックスフンドは気品のある見た目に反し、猟犬の歴史を持つことから好奇心旺盛で活発な性格の犬種です。そのため、高い所からジャンプをして骨折をしてしまう、他の犬と遊ぶ延長戦でケンカになってしまうなどケガをしてしまうことが多いでしょう。
またケガではありませんが、地面との距離が近いため散歩中に拾い食いをしてお腹をこわし下痢になってしまうというのもダックスに多い病気の一つです。
ダックスフンドの平均的な寿命
ダックスフンドの平均寿命は13歳~16歳程度だと言われています。13歳~16歳は犬の平均寿命としては標準的な平均寿命だといえるでしょう。
近年では獣医学の発展やドッグフードの質の向上、生活環境が良くなったこともあり犬の平均寿命は年々伸びる傾向にあります。ダックスフンドの場合、18歳~19歳程度まで生きる子もいるようなので比較的長寿な犬種といえるでしょう。
日頃から食べるものに気をつける生活環境を整えるなど健康に気をつかうことで、愛犬と一日でも長く一緒に過ごせるよう心がけましょう。
ダックスフンドを室内飼いするときの注意点
ダックスフンドを室内飼いする際、最も気をつけたいのは椎間板ヘルニアへの配慮です。
階段にはゲートをつける、ソファーやベッドにはスロープをつけるなど少しでも愛犬の腰に負担をかけないように気をつけましょう。また、お出迎えや来客があった際に飛びつく、オヤツが欲しくてキッチンやテーブルをのぞき込むなどの行動も腰に負担をかけてしまう可能性があるため注意が必要です。
他には本来アナグマやアナウサギを狩猟していたダックスフンドは、獲物をみつけると追いかける習性があります。家にウサギやハムスター、小鳥などのペットを飼っている場合は追いかけてしまう可能性があります。
例えケージ越しであってもデリケートな小動物は自分より大きな生き物に狙われていると感じるとストレスになってしまいます。小動物を飼育している場合は部屋をわけるなど会わせないよう工夫することで犬と小動物の両方がストレスなく生活することが出来るでしょう。
運動について
元々猟犬のダックスフンドは運動が好きな子が多いです。運動量が少ないとストレスが溜まり無駄吠えやイタズラに繋がる可能性があるため、たっぷりお散歩をしてあげましょう。
また、お散歩はストレス発散の目的だけではありません。運動不足による肥満や筋肉の低下は椎間板ヘルニアのリスクを高める可能性があります。病気を予防する目的でも成犬のうちは1日2回30分から1時間はお散歩につれて行ってあげるのが良いでしょう。
しつけについて
ダックスフンドは頭が良く友好的な犬種のため、しつけを覚えやすい犬種だと言われています。仲間意識が強く多頭飼いにも向いているといえるでしょう。
また本来猟犬だったダックスフンドは警戒心が強く吠え癖がつきやすい犬種です。例えば、道ですれ違う犬や来客などに吠えてしまうダックスフンドは多いです。また、頑固な性格から飼い主に対して散歩に連れて行って欲しい、オヤツが欲しいなど要求吠えをしやすい犬種でもあります。
吠えのしつけに関してはパピーの頃からしっかりと行うことが大切です。吠え癖がなかなか直らず困っている場合はドッグトレーナーなどプロに頼るのも良いかもしれません。
お手入れについて
ダックスフンドはロングヘアードの場合でも、比較的お手入れが簡単な犬種です。定期的に自宅でシャンプーやブラッシングを行えば十分といえるでしょう。
特別カットが必要な箇所はありませんが、足の裏の毛が伸びすぎているとフローリングで滑りやすくなり腰を痛めてしまう可能性が考えられます。足裏の毛は定期的にバリカンで短く整えるようにすることが大切です。
またダックスフンドは歯周病になりやすい犬種のため、子犬のうちから歯みがきの習慣をつけるように心がけましょう。
短足で、トコトコと歩く姿が愛らしい
短足でトコトコと歩くすがたが愛らしいダックスフンドは短足だからこそ気をつけなければならない点が沢山あることが分かりました。
また胴長短足からは見当もつかないほど活発でアクティブのため、歴史や性格を知らずに飼って後悔をしてしまったという方は一定数いらっしゃいます。そうならないためにもダックスフンドの性格や注意点をしっかりと確認した上で犬種選び行いましょう。
ダックスフンドについてしっかりと理解し迎え入れることで、友好的で遊び好きなダックスフンドは飼い主のことも笑顔にさせる素敵なパートナーとなってくれるでしょう。
当サイトではいろいろな犬種の詳しい歴史や性格についてご紹介していますので、他の犬種も悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。
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